とにかく、若いころは自転車(ロードバイク)の練習で忙しかった。
目的が目的と化して往復することが目標であったと思う。周りも見えていなかった。
さいたま市の浦和は個人的には絶妙なる位置にあると自負している。浦和から秋ヶ瀬に出て、
南下するとお台場まで往復約102km(記憶がたしかなら)、北上するとさいたま武蔵丘陵森林公園まで往復約100km、川越狭山自転車道の豊水橋まで往復すると、あれも約100km。
これが東京都の江東区に住んでいると北上するしかないんじゃないかと思う。むかし、奈良浩選手
というロードの猫好きの選手が居たけど、あのひとも飯能や多摩地区で練習していて、いまは上尾で落ち着いてるらしい。それは、つまり上尾の位置が絶妙で住みやすい、走り易いと感じたからでないだろうか。多摩サイと荒サイのどちらがいいか、難しい問題だし、おれはそこまで多摩川は走りこんでない。
集団で走り込むという利点は大いにあるだろう。ただし、私は危険を回避したいしそこまで体力がある方でもない。だからPCを地道にカタカタと打つのはもしかしたら生に合うのかもしれない。それに比べると、自転車の車道走行、集団走行はやや苦手だ。若いころに薬師寺さんというチームメイトがいたけど、相次いで鎖骨骨折に自動車の衝突でのICUへの入院。そうだな、あの自転車乗り、この自転車のり、あのチームのあの人、このひと、みんな事故ってる。俺ももちろん、事故ってきた。事故は自転車乗りの宿命である。
だから、今も昔も一人でマイペースに自転車を走らせている。幸い大きな事故もないし、怪我もない。ただ、一人だと遠くへはいけない。時間の制約もあるし、体力の問題もある。浦和から物見山まで往復約90km、弓立山まで126km、それが林道奥武蔵1号及び2号線の通称グリーンラインまで距離を延ばすと140kmを優に超えてくる。距離が伸びるに従ってリスクも上がる。
そして、その難題をついに克服したのだ。私は越生町に自転車を乗るためだけに部屋を借りてしまったのだ。